最近よく話題になっているのが、介護保険サービスを利用する利用者(高齢者)に対する暴言や暴力です。

よくニュースになっていますよね。
××介護施設の介護職員が、施設に入居する〇さんに殴る・蹴るなどの暴力をふるい…
と。

もちろん、利用者に対する暴言や暴力は絶対やってはいけない事です。
庇うつもりもありません。

しかし現場で働く介護職員にしてみると、「あー分かるわ…」って声も絶対聞かれます。
庇うつもりはないですが、やってしまう理由には、ほとんどの人が共感してしまうのです。

ほとんどの介護職員は、暴力をふるってしまう人と同じ気持ちで働いているのです。
ただ、ほとんどの介護職員は暴言や暴力の前に、辞めるという選択をしているのです。
これも人手不足の原因となっているのでしょう。


もくじ


原因1、利用者

ニュースなどで介護職員による暴言や暴力が報道される時は、動機が報じられますが、大体が「利用者の○○に腹が立った」という理由です。
だからこそ介護職員にしてみれば、「あー分かるわ…」となるのです。

ではその「あー分かるわ…」となる原因って何なんでしょう。
介護職員の感じ方も人それぞれなので、共感出来ない項目もあるでしょうが、例えばこんなものです。

便まみれ

認知症の方にありがちなのがこれです。
パンツの中に排便しちゃうなら全然マシです。
それを更に便だと認識していない為に、服に付けまくったり、壁に塗りまくったりするのです。
居室に入った瞬間に目にする、壁や床一面の便。
耐えられますか?
それを片付けなきゃいけない、と思うと絶望的な気持ちになるでしょう。
慣れている介護職員でも「言葉にならない」という光景が広がっているのです。
やるのを分かっていても、やっぱりストレスが溜まります。
やる方は毎日やります。
排便のリズムがあるから分かるんじゃないの?と思いますが、毎日1分1秒ぴったりなわけではありません。
ほんの5分くらいの差でも、この光景が繰り広げられるのです。

5分置きのナースコール

これは非常に多いです。
どこの介護施設でもあると思います。
入居者からのナースコールでトイレに連れて行き、その5分後にまたナースコールが鳴るのです。
それが延々と続きます。
その間、他の入居者のナースコールも響き渡ります。
軽くノイローゼになります。
5分置きにナースコールを鳴らしたところで、5分置きにトイレなんて出るわけがないのです。
これは特に夜間の介護職員が少ない時に多く見られます。
正直全てに対応しきれません。

暴言・暴力・セクハラ

これは言うまでもないでしょう。
こちらの利用者(高齢者)からの暴言・暴力でも書いた通り、利用者から暴言や暴力などを受けた場合、誰でもストレスは溜まります。
この場合はやられた介護職員が暴力をふるったとしても、逆に正当防衛であるとも考えられます。
もちろん正当防衛でも暴力はどうかと思いますが、利用者が包丁などの凶器を持っていた場合、そうも言っていられません。
包丁を叩き落したとしても暴力になってしまいますからね。

ご飯・薬の吐き出し

まぁまぁ多く見られます。
別に床に吐く分には我慢出来るんですよ。
ただ、恐らく意図的にでしょうね。
介護職員の顔などをめがけて吐き出す人もいるのです。
これは正直イライラします。
利用者が噛んだ食べ物がいきなり顔に投げつけられますからね。
しかも更に、それが薬だとまた面倒な事になるのです。
顔だろうと床だろうと、薬を吐き出した時点で「落薬」となり、事故報告書を作成しなければいけないのです。
そしてその床に落ちた薬をそのまま飲ませるわけにいきませんし、飲ませないという選択も出来ません。
なので看護師を呼んだり、訪問看護に連絡したり、という手続きをして薬をどうするのか指示を仰がなければいけません。
まぁめんどくさい。
その間他の業務も止まるので仕事が溜まりますしね。

拒否

介護拒否です。
お風呂入るの拒否、トイレ行くの拒否などです。
この場合、介護施設の方針も大きく関わって来ます。
お風呂も最悪週に1回か2週に1回でも入れればいいや、もしトイレ拒否して失禁したら替えればいいや、という入居者に合わせて寛大な方針だと、そこまでストレスは溜まりません。
ただ、何でお風呂入れられないの?何で失禁させたの?などと、介護職員を責めるような介護施設ではストレスが溜まります。
介護職員にしてみても、上手く出来なかった…などと色々考えているのです。
それを叱責されると、無理やりでもやらせようと度を過ぎてしまって、結果暴力に繋がるのです。
これは入居者の家族に責任がある場合もあります。
家族が何で?と責めるパターンです。

ざっくりと介護あるあるのパターンです。
これらは認知症の症状として起こるものもありますが、認知症でなくても意図的にやる方もいます。
よく認知症の知識不足だとか言われますが、ほとんどの介護職員は間違いなく理解しています。
理解していて分かっているのですが、ストレスは溜まります。
介護職員は常に我慢しているのです。
我慢しているけど、限界があるのです。

人間関係

職場の人間関係が悪い場合、そのストレスが利用者に向く場合もあります。
いわゆる寝たきりの利用者の場合だと、言い方は悪いですがやりたい放題です。

もし職場にいじめなどがある場合は、もちろんいじめた人が悪いです。
いい歳した大人なのに。
でも、介護主任や施設長など、上に立つ立場の人が職場環境を変えない限り、なかなかなくならないのも事実です。
介護施設は「良い人ほど辞める」と言われています。
むしろ上に立つ人が、「悪い人こそ辞めさせる」くらいの心意気でいかないと、人間関係は良くなりません。
職場は人の性格を教育する場ではありませんしね。
また、職場にカウンセラーを配置するなどの対策も必要になってきます。

給料・仕事内容

これも多くはないですが、ある事はあります。
給料と言っても、介護業界はどこもほぼ同じです。
でも、そもそも仕事内容に給料が見合っていない、給料が少なくて生活がギリギリなど、ストレスは溜まります。
これは介護施設というか、国の問題でもあるかもしれません。
また、無駄な仕事が多くて通常の業務に支障が出ている、無駄な仕事の為に仕事が終わらず残業になってしまう、などのストレスが利用者に向く場合もあります。
よく「これいる!?」みたいな話をしながら仕事をしている事もありますね。
でも上の立場の人は変えないのです。

改善

恐らく原因になり得るだろうな、という項目を見てみると、全て介護職員を人として見ていない事が分かります。
介護職員も、いくら仕事だからと言っても、人の心はあるし生活もかかっています。
まず、施設長も入居者もその入居者家族も、介護職員を人として見て、介護職員の気持ちや生活を考えなければ、入居者に対しての暴言や暴力はなくならないのです。

あまりにも酷い入居者がいる場合には、介護職員や他の入居者への影響も考えると、薬や身体拘束などの対応も考えなければいけません。
入居者がかわいそうと思うかもしれませんが、結果的にそれが最悪の事態を防ぐ事にもなるのです。
介護施設の体制にばかりこだわっていないで、余裕のある仕事内容を組んだりする事でストレスは減るのです。

もちろん介護職員も個々でストレスを発散する事も必要です。
しかし、ただでさえ休みも少なく、有給も取りにくい業界の為、全てを個人の責任と押し付けてはいけません。
介護職員も、我慢の限界が来る前に、職場が変わらないようなら転職して、自ら環境を変えるべきです。

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