介護業界でメインで働くとなれば、介護職員(ヘルパー、介護士)です。
実際に利用者と関わる事が多く、排泄介助や入浴介助を行います。
その他、健康管理や簡単な医療処置を行う看護師(ナース、Ns)や、リハビリを行う理学療法士などのリハビリ職、また医師薬剤師などの医療職も介護業界で働いています。
この様々な職種の人達が連携を取り、高齢者を支えています。


もくじ


介護業界の職種一覧

介護業界と言えば、介護施設や訪問介護などが思い浮かびます。
介護業界で働くといえば、介護職員、いわゆるヘルパーが思い浮かびます。

しかし、介護業界で働く人は、介護職員(ヘルパー、介護士)だけではなく、様々な職種の人が働き、連携し、高齢者を支えています。
そして、その9割が資格を持った専門職です。
何気に介護業界は、資格を持った専門職のプロ集団でもあるのです。

では、介護業界で働く、様々な職種を見ていきましょう。

介護職員(ヘルパー、介護士、ケアスタッフ)

主に身体介護をメインとして、排泄介助入浴介助食事介助を行います。
その他、掃除や洗濯などの生活支援も行います。
利用者と関わる仕事だけ行っているように見えますが、意外と利用者の様子の記録など、直接的な介護業務以外の仕事に追われる事も多いです。

介護助手、介護補助

最近、介護助手・介護補助という職種を増やそうという活動が行われているようです。
介護福祉士などの資格所有者には、身体介護などの専門的な介護に専念してもらい、その他のシーツ交換や掃除などは介護助手が行う、というように仕事を分担し人手不足を補おうというものらしいです。
地域の働ける高齢者を取り込もうという狙いもあるようです。
しかし、今でも生活支援スタッフがいるので、普及していくのかよく分からない所があります。
今の生活支援スタッフと同程度の仕事内容にはなると思うので、求人を探す際にはどちらかの職種で探してみるといいでしょう。

サービス提供責任者(サ責)

訪問サービスのみでの仕事となります。
住宅型有料老人ホームの場合は、訪問サービスとなる為、サ責が介護施設にいる場合もあります。
ケアマネから利用者を受け入れ、訪問介護計画書を作成したり、利用者や介護職員の状態の確認問題改善などを行います。
ケアマネと利用者、介護職員の橋渡し的な存在です。

ケアマネジャー(介護支援専門員、ケアマネ)

介護認定を受けている人に対して、ケアプラン(サービス利用計画書)を作成します。
そのケアプランに基づき、介護保険サービスを紹介、見学、契約までを、利用者と一緒に行います。
在宅専門の事業所に勤務する場合と、介護施設に勤務する場合がありますが、在宅専門の方が各利用者の自宅を回ったり、緊急時に呼び出されたりなどと、勤務時間外や休日に呼び出されたりする事もあるので忙しい。

生活相談員(ソーシャルワーカー)

主に介護施設にいる事が多いです。
介護施設を利用、入居する際に、利用方法や生活の説明、費用に関する相談など、困った事があったらとりあえず相談員という役割を担います。

施設長、ホーム長、所長

介護施設などの介護保険サービスの経営者
経営に関わる為、介護よりも経営の知識が必要となります。
その為に、介護の資格や介護経験がなくても採用されます。
ただし、現場を知らなければ、的外れな業務改革をしたり、現場職員から介護や現場を知らないのに口を出すなと言われたりなど、かなり不評を得る事になる為、施設長でも現場に出て体験し、現場を知る事が必要です。

介護事務

メインとなる仕事は、介護報酬の請求作業です。
介護業界での1番の収入源となる介護報酬の請求書類を作成し、提出します。
他にも電話対応や来客対応など、通常の事務と変わらない仕事も行います。

調理員、調理スタッフ

介護施設のみの仕事となります。
1日3食、+おやつを作り、使った食器の洗浄などを行います。
食材を仕入れ初めから調理する場合と、レトルトなどの物が届き、温めて提供するだけなど、介護施設によって異なります。
おやつも市販の物を出す所も多いです。

生活支援スタッフ

介護施設内、各居室内の掃除、入居者のベッドのシーツ交換(リネン交換)、入居者の衣類の洗濯などを行います。
生活支援として介護職員が行う事も多い為、全ての介護施設で募集しているわけではなく、求人自体そこまで多くはないです。
しかし、介護職員を専門的な業務に専念させるような動きがある為、今後増えて来る可能性もあります。

運転手

デイサービスの送迎は介護職員が兼任して行う場合が多いですが、稀に専門のドライバーがいる事もあります。
介護施設では、施設管理として施設設備の管理や庭の手入れ、入居者の通院の際のドライバーなどの仕事を行います。
運転のみでの仕事は少なく、何か他の仕事と兼任する事が多いです。




医師(ドクター、Dr)

通常と同じく病院などに勤務していますが、高齢者と関わる仕事がしたい場合、介護施設や在宅への往診や、介護保険の範囲となる居宅療養管理指導として働く事も出来ます。
通常の病院の一部門としてある事が多いです。
居宅療養管理指導は、ケアマネへの報告義務がある為、ケアマネと関わる事が多いです。
また、サービス担当者会議などへの出席も求められます。
老健(介護老人保健施設)では、医師の配置義務がある為、老健で働く事も可能です。

看護師(ナース、Ns)

介護業界で介護職員の次に多い職種であると言えます。
介護施設の場合、夜勤がない介護施設もあるので、日勤のみで働きたい場合に仕事がしやすいです。
業務内容も、健康管理や簡単な処置のみ行う所と、実際に介護職員と同じく排泄介助などを行う所と分かれます。
また、在宅をメインとした訪問看護事業所で働く事も可能です。
働く形態も、パートや派遣、夜勤専従など様々あるので、働きやすい職場です。

機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)

介護施設では、必ず配置されている看護師が変わりになってしまう為、介護施設での募集は多くはないです。
デイケアや老健(介護老人保健施設)、訪問リハビリなど、リハビリがメインの所で働く事が多いです。
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)に比べて、言語聴覚士(ST)の求人は少ない傾向が見られます。

薬剤師

通常の薬剤師と同じく薬局に勤務し、高齢者に関わりたい場合は、居宅療養管理指導として働く事も出来ます。
高齢者の自宅へ訪問し、医師の指導のもと、服薬管理や服薬指導を行います。
ケアマネへの報告義務がある為、ケアマネとも関わる事が多く、サービス担当者会議への出席を求められる事もあります。

歯科医師、歯科衛生士

通常の歯科医院などに勤務しながら、介護施設や自宅への往診を行います。
また、居宅療養管理指導としても働くことが出来ます。
認知症の予防や嚥下機能向上の為に、口腔ケアの重要性が叫ばれている為、今後の需要は多いと思われます。

栄養士、管理栄養士

介護施設での食事の献立を作成します。
介護施設の場合は介護食と呼ばれる、刻み食やソフト食、ミキサー食なども扱う為、介護食の知識も必要になります。
また、介護施設内で1から調理する場合もありますが、調理済みの食事を仕入れ温めて提供する場合も多いので、全ての介護施設に必ず勤務しているわけではありません。

行政担当者(役所の介護保険課)

役所で働く、介護保険部門の担当者、いわゆる公務員です。
介護が必要になった場合、初めて行く場所でもあります。
介護認定を受ける際の窓口となり、更にその地域の介護保険サービス事業所や、地域独自で行っているサービスなど、幅広いサービスの紹介を行っています。

住宅改修事業者

住宅改修を行う専門の事業所というよりは、リフォーム会社や建築業者で行う事が多いです。
住宅改修の専門知識として福祉住環境コーディネーターがありますが、その資格単独で働く事は難しいです。
ただ、介護保険を利用するには理由書が必ず必要であり、ケアマネや地域包括支援センターの職員以外では、福祉住環境コーディネーター2級以上の資格がなければ作成する事が出来ません。
その為に、介護関係を担っている事業所では、いると重宝されます。
福祉住環境コーディネーターの資格保有者は、ケアマネと建築業者の橋渡し的な役割を担います。
また、福祉用具の事業所で住宅改修を行っている場合もあります。

福祉用具事業者

福祉用具のレンタルや販売を行っています。
その人の状態に合った用具を選んだり、適切な利用方法を指導したりします。
また、住宅改修の事業を行っている事も多いです。
働く為には福祉用具専門相談員を常勤で2名配置しなければいけない為、資格を持っていると有利になります。
また、高齢者の自宅や介護施設へ営業などに行く事が多いので運転免許、採用条件に介護職員初任者研修の資格が含まれている場合もあります。

介護タクシー、介護保険タクシー

介護タクシーには、介護タクシーと介護保険タクシーがあり、介護保険タクシーでなければ介護保険を請求する事が出来ません。
車椅子などで介助が必要な方で、移動手段がない方の為のタクシーです。
タクシーとなる為に第二種免許が必要であり、介助も行う為介護職員初任者研修の資格が必要となります。
介護保険が使える介護保険タクシーの方が、安定しているイメージがあります。



介護業界の連携

介護が必要な方を支えようと思えば、排泄や入浴だけではなく、掃除や洗濯など生活の部分、病気や薬などの医療に関する部分など、多岐に渡ります。
利用する方が「これをやってほしい」と申し出た事以外にも、その方の生活全般、身体機能、家族の状況など、その方に関わる全ての部分を把握し、適切なサービスを提供します。
その為には、それぞれの項目に関わる全ての専門職が集まり、情報を共有する必要があります。

例えば、介護職員や看護師が利用者の病気を知らなかった場合などは、大きな問題が起こる事もあります。

水分制限があるのに知らずに水分を取らせる、病気で食べてはいけない食べ物があるのに食べさせてしまうなど…

そして、連携する事により、状態が安定したり、症状が良くなったりと、良い方向に進める事が出来るのです。

連携するとは??

例えば…

・介護職員

→ケアマネへ 利用者の状態の情報提供
(ケアプランの見直しに役立つ)

→看護師へ 利用者の健康状態の情報提供
(簡単な処置などに役立つ)

→調理員へ 食事形態の変更の検討
(適切な食事形態への見直しに役立つ)

・ケアマネ

→介護職員・看護師などへ サービスの追加や変更など
(介助の追加や変更に役立つ)

→介護事務へ ケアプランなどサービス状況の報告
(介護報酬の請求の変更に役立つ)

→医師、薬剤師などへ 往診などの依頼
(往診や居宅療養管理指導などを行う)

・看護師

→介護職員・ケアマネへ 健康状態や処置などの報告
(様子観察やサービスの追加などに役立つ)

→医師・薬剤師へ 健康状態や処置などを報告
(往診や服薬管理などに役立つ)

など、それぞれの職種が他職種の情報を必要としていて、その情報がなければ適切な介護が出来ないのがわかります。
利用者の中には、認知症の方や、いわゆる寝たきりの方がいるので、自分で自分の状態を正確に伝えられない方もいます。
その中で多職種が関わる事によって、様々な方向から多角的に見る事ができ、適切な介護に繋がっていきます。

しかし、この連携が上手く行かないのが介護業界です。

必要な情報が提供されていなかったり、言った言わないになってみたり、話をする度に言う事が違っていたりなど、問題が多く発生しています。

その人の性格の問題でもありますが…

例えば、上手く情報提供がなされたとしても、何故かケンカ腰の事も多いです。
特に介護施設だと、介護職員 VS 看護師、介護職員 VS ケアマネがよく見られます。

介護職員からしてみると、VS看護師だと「そのくらい自分でやれよ」という文句がよく見られます。
一応看護師も身体介護が出来るので、排泄介助なども可能であり、介護施設によっては処置のみではなく、介護職員と共に介助に入る事もあります。
処置の際にオムツが汚れていたら、その場でさっと交換すればいいだけの話ですが、それをやらずに後で介護職員に「汚れてたから変えといて」という為に、上記の「そのくらい自分でやれよ」となるのです。

VSケアマネの場合、「現場を知らないのに現場に口出すな」が割と多く見られます。
例えば、他の目の離せない利用者Bがリビングにおり、利用者Aがトイレに行きたい場合。
介護職員が1人しか見守りでいない為、Aを居室まで連れて行ってしまえば、Bを見守る介護職員がいなくなってしまいます。
仕方なくリビングの片隅のトイレへAを連れて行くわけですが、たまたまそこにA担当のケアマネが通り「なんでAを居室まで連れて行かないの!!」と怒鳴るわけです。
となると、介護職員からしてみれば、上記の「現場を知らないのに~」発言となるわけです。

そして、割と介護職員 VS 調理員も多くあります。
「早く下膳しろ!」と。
食器の片付けの時間もあるのは分かりますが、利用者はまだ食べているのです。
しかも最近まで体調が悪くてほとんど食べられなかった利用者が、ゆっくりだけど食べているのです。
介護職員としては、というか、人として食べれるなら食べてほしいと思うものです。
それを時間だからと取り上げるのは、如何なものかと思います。

全ての職種が、全ての利用者の事を考えていれば起きない事がほとんどです。
これが出来ていない為に、他職種同士の中が悪くなり、情報提供もままならない状態が起きているのです。

まぁ中には、「あの人嫌いだから教えない」という性格が悪いのもいますがね。

仕事なんだから、プロなんだから、仕事は仕事としてちゃんとやるべきだと思います。

これは多職種の連携だけでなく、介護職員同士、看護師同士でも見られる事です。