産業カウンセラーは、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決出来るように支援する資格です。

元々は公的資格でしたが、2001年に技能審査から除外された為、それ以降は民間資格となりました。

成人に達していれば学歴不問で参加出来る「産業カウンセラー養成講座」を受講すれば、4年制大学を卒業していなくても受験資格が得られる為、比較的難易度の低い資格となっています。

難易度の低い資格ですが知名度は高い為、就職に有利かと思われがちですが、この資格を他の資格より優先的に資格要件として掲げて募集している機関はほとんどありません。

しかし、在職者がキャリアアップ、スキルアップなどの為に取得する資格としては、勉強時間の短さや合格率の高さなどから、比較的取り組みやすい資格と言えます。

受験資格は??

受験資格は、以下に該当する者とされています。

・4年制大学および大学院において、心理学または心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する学部または専攻・課程を卒業した者

・成年に達した者で、産業カウンセラー養成講座(協会もしくは協会が他に委託して行う産業カウンセリングの学識および技能を修得するための講座または協会がこれと同等以上の水準にあるものとして指定した講座)を修了した者

実際の受験者の内訳としては、大学卒業者が約8%、産業カウンセラー養成講座などの修了者が約92%となっており、養成講座などを修了した人の割合が多い為、ハードルは低くなっています。

試験って??

毎年1月に全国各地の試験会場で実施されます。

初めに筆記試験が行われます。

・カウンセリングに関する基礎的な学識を問う5者択一によるマークシート方式が40題程度

・カウンセリングの基本的な事例への対応能力および傾聴の技法の対話分析能力を問う5者択一によるマークシート方式が20題程度

以上の60題が基本的な試験範囲となっています。

筆記試験が行われた後に、全国各地の試験会場で実技試験が行われます。

受験者相互によるロールプレイおよび口述試験が行われ、約20分程度で終了となります。

試験実施年度の前年度または前々年度に、筆記試験または実技試験のどちらか一方に合格していれば、当該試験が免除されます。

試験の実施時期は??

受験要領の配布は10月上旬からとなります。

筆記試験、実技試験ともに、1月下旬に行われます。

実技試験の日時指定および変更は出来ないので注意が必要です。

産業カウンセラー養成講座

日本産業カウンセラー協会が行う講座であり、受講者数は年々増え続けています。

講習は理論学習36時間、演習104時間、在宅研修(宿題)約40時間、自主学習(DVD視聴9時間程度)で構成されています。

毎年4月から10月までの7か月間行われ、主に土日に合わせ合計約20回開講されます。

理論学習は、講師による講義形式で行われ、医師、臨床心理士、臨床心理学専門の大学教員、弁護士などが行います。

カウンセリングや心理学、およびその関連分野を学習します。

演習では、1グループ12~13人が2名の実技指導者の指導の下、主にミニカウンセリングやグループディスカッションの形式で行われます。

傾聴の主体である「受容」「共感」「自己一致」の態度を、技法的・精神的の両側面から学習します。

在宅研修では、小論文・対話分析・逐語記録の作成などを行います。

上記の通学制の他に、通信制(12か月)もあります。

通信制では理論学習が在宅での学習となり、演習は104時間のスクーリングとなります。


産業カウンセラーの受験者の中には、管理職や人事労務担当者などが多く、人に関わる事が多い為、資格取得は有益です。

しかし、同職場内でのカウンセリングは、既存の関係性がカウンセリングに深く影響を及ぼす恐れがあり、禁止されています。

カウンセリング業務を行う事が出来なくても、メンタルヘルス対策への援助、キャリア開発への援助、職場によける人間関係開発への援助など、重要な役割が期待されています。